今年3度目の遠征に行ってきた。
今回は某シーバス愛好会のBBQで会ったN氏のお誘いを受けて八丈島へ。
いつも一緒に釣行してるジギング超人Kを誘っての3人で行く事になった。
N氏は、副業でカスタムロッドを制作しており、ショアジギロッドやシーバスロッドを制作している。
まだ数は少ないが都内のショップに置いているらしい。
N氏がオフショアジギングのJ-1グランプリ常連であることから、宿はパパズインと決まっていた。
11/15〜11/17という日程は、N氏がパパ大津留氏に相談して決まったらしい。
黒潮の予測サイトを見ると、11/15〜11/17はかなり微妙な位置…八丈は黒潮の端っこに位置していた。
今年の遠征はいずれも黒潮直撃で惨敗していたので気になったが、自分で企画した釣行ではないので取りあえず決めてもらったスケジュールで行くことにした。
なんせ八丈島は初めてなので、行ってみないとわからないという気持ちもあった。
N氏はいつも飛行機で行っているようだったが、東海汽船の株主優待を使えば八丈まで往復12000円程度で行けるのがわかっていたので、汽船にしてもらった。竹芝桟橋から八丈島まで、約10時間。時間はかかるが、料金以外にも2つのメリットがある。
・荷物の制限がゆるい
・欠航が少ない。
特に、「欠航」については八丈島の欠航率の高さは日本一と言われるほど。
帰りの船で一緒になったビジネスマンによると、夏は欠航が少ないのだが10月以降は欠航が多く予定が立たないので船を利用しているとのことだった。
ちなみに、飛行機の場合、早割を使うと往復22000円程度で行けるが45日前までに予約しなくてはならないし、変更が難しい。
可能ならば直近の天候や黒潮の状況を見て釣行したほうがよいと思うので、そういう面でも船が有利である。スケジュールが自由で、お金持ちなら飛行機でもよいと思うが……
↑パパズインの可愛い奴。
夜10時に竹芝桟橋を出て、翌9時に八丈島へ到着。
パパ大津留のお出迎えで宿へ行き、そのまま地磯へ向かった。
自分はパパ大津留の車に同乗することになった。
単刀直入に聞いた。「黒潮の中だから、状況悪いんじゃないですか?」
予想された答えが帰ってきた。
「その通り。でも事前にそんなことを知らせてガッカリさせるのも難だから」
…やはり場所を問わず、黒潮直撃は良くないのだ。
もう2度も神津島で思い知らされたことを、ここ八丈でも確認してしまった。
もしかして例外が…という淡い期待が頭の片隅にあったが、ここで見事に打ち消された。
初日11/15は北西の風がやや強めに吹いていた。
底土港の見える高台でパパ大津留が説明を始めた。
底土港は先端がやや低い堤防で八丈の北東側に位置している。
北西の風からのウネリが少し入っており波こそ被ってないが、危険だと言う。
パパ大津留が言うには、「磯より堤防のほうが危険」らしい。
毎年2人は亡くなっているらしい……鹿島の南堤並だ(滝汗)
大きなウネリが来た時につかまる所が無い、逃げるところが無い…というのが理由。
「あの磯しかない」とパパ大津留がもったいつけた言い方をするので、
「石積ヶ鼻ですか?」と聞いたらビンゴだった。
他にも南向きの磯や堤防はあるので、そこまで安全志向でなくても良いのに…と思ったが、フイッシングガイドの宿に泊まる以上、無理を言えないのは当然の成り行きだった。
石積ヶ鼻は八丈ではメジャーなポイントで車で磯の入口まですぐ。簡単に入れるので先行者がいる可能性が高い。正直言うとあまり気乗りしていなかった。実際、磯に着いてみると、既に他の車がいた。
パパ大津留の案内で南東のカドへ。
「行くのがたいへんな磯だ」と注意を受けていたが、実際のところなんでもない磯だった。
伊豆大島の赤岩を短くしたような磯だ。
とりあえずそのカドで始めることになった。
あらかじめ空撮マップでほとんどの磯を頭にインプットしてきてはいるが、実際行ってみると高低差がもの凄く、ルアーでマトモに釣りができる場所は非常に少ない。神津島や西伊豆と同じだ。
石積ヶ鼻のカドもルアーで3人がやっとという感じだった。
風は北西、磯は南東向きなので、完全にフォローな筈なのだが、正面から妙なウネリが来る。
パパ大津留は「風が巻いてきてウネリが入る」と言っていたが、ウネリ波長の大きさからしてどう考えても遥か彼方の低気圧か何かから発生しているウネリだった。
八丈島は伊豆大島や神津島と違って付近に何もない完全な離島なので、どっかしらにある低気圧などの影響をモロに受ける。
八丈島に来て最大の発見はこれだ。
四方八方からウネリがやってくるので危険。。
東伊豆では北や西からの大きなウネリは来ないので、南と東向きだけを警戒してればよい…八丈は随分と違う。
石積ヶ鼻のカドは水深も浅くて、遠投しても15m〜せいぜい18m程度に感じられる。
潮は石積ヶ鼻の前を黒潮の激流が流れていたが、丁度カドのところで離岸しているような感じで、ジグを投げてもあまり流されなかった。
潮は黒潮まっただ中なだけあって、スケスケ。底がよく見える(汗)
ウネリがあるので、サラシはかなり豪快に出ていたが、魚からの反応が無い。
超人Kが、早速ジグでアカエソを釣った。悪い予感…
続けて、ダツ。。。。
そしてメッキ系のカスミアジか何かをヒットさせたがバラしてしまった。
どうにも場所が悪いので、石積ヶ鼻の中央へ行ってみたが、地元の人が一人で広々と釣り具を広げており、着いた時は留守だったが早々に追い出されてしまった。他に行くところもなく、カドへもどる。
他2人も相変わらずエソ&ダツしか釣れてなかったが、超人Kのジグに度々30〜50cmほどの魚がチェイスしてくる。透明度が高いせいか?何が原因か解らないが、ルアーを見切ってしまって全然バイトしない。
そこで自分はバイブレーションを投入。
底取って巻いてくるとヒットしたが何か引きがおかしい。
軽くメーターオーバーのアオヤガラでした。
グーグー鳴いてます。カワイイです。。。
バイブレーションで底を取って、ワインドさせながら上げてくるとドン!と乗った。
40cmのショゴでした。ヒレナガなのか?やけに細い。
続けて、同サイズを追加。
そのまま続けても仕方ないのでここでバイブレーションでのワインドを終了して、しばらくハルシコ等のシンペンを投げた。
結局以降はエソ以外何も釣れず、真っ暗になってしまった。
温泉行って、宿に戻ると、パパ大津留が明日の渡船は予約済みと言う。
今日の感じでは…渡船は微妙…と思っていたのだけど、せっかく手配してくれたものを断るわけにも行かず…決行。
翌朝6時、八重根港から渡船で八丈小島の裏にある”一の根”へ渡った。
風は北東の強風。
GPV気象予報の予報通りだったが、予報よりもかなり強い風がビュービュー吹いていた。港では風が全く感じられなかったが、八丈富士の影を抜けた途端、ウサギがピョンピョン、シケている。
磯に乗って見ると、風裏の筈が、八丈小島を巻いて突風が吹いている。
磯の中央が小高くなっているので、反対側へ避難。
風を背にして釣りができるのだが、突風が15m以上という非常に厳しい状況です。
他船で上陸した底物師によると、今日は強風のせいか水温が低下して表層水温は21度。
昨日まで見えたエサ取りも全く見えないと言う。悪い予感。。。
予感は的中し、早速、超人Kがアカエソを釣ってしまった。。。
アカエソが釣れまくる時は、あまりいい思いをしたことが無い。。。
一気にテンションが下がる。。。
ジグに切り代えて、足元を丹念に探って800gほどのアカハタをゲット。ジャックナイフ80gでゲット。
同時に超人Kはアオヤガラをゲットしてました。
お昼前に雨も降ってきて、風も強まり最大瞬間風速20mほどの突風に。
先端で釣っていると落ちそうになるので中腰・ガニ又でシャクリます。
雨は小雨ですが風が強いので背後から叩き付けます。
台風の中にいるような感じで、気温もどんどん下がり13度。。。。
お昼過ぎ、ジグミノーのモンスーンブレイカーを沈めて表層まで上げてくると水面直下でヒット。
800g程度のスマガツオ。
どっちかっていうとこれはベイトかな!?
このくらいのカツオをガブッと食べちゃう巨大魚を狙いに来たのですが…。
もう一度スマガツオらしきバイトがあったが乗らなかった。
13時を過ぎると風もさらに強烈になり、岩のくぼみにちぢこまって雨風を避けていた。
レインジャケットを着てはいるものの、びしょ濡れで寒い。。。
もう半泣きだったが、他の2人は頑張って釣りをしている。
後で聞いたら、実は同じように辛かったらしい。
15時過ぎ、底モノ師を別の船が迎えに来た。
沖上がりは16時の予定だったが、あまりの惨状に見かねて、「一緒に乗って帰るか?」というので、便乗させてもらった。
海難救助されたようなモノでした。
震えながら、船のキャビンへ。
さすがの超人Kも風邪をひいてしまったようだ。
最終日。
前日のあまりに悲惨な釣行に、もはやどうでもよくなっていたが、八丈に来てからというもの、ほぼ何も釣ってないN氏はやる気マンマンだった。風邪で具合の悪い超人Kを宿に残して、風裏の八重根港へ。
雨は降っていたものの、八重根港は思ったほど風が吹いてなかった。
堤防の中程で一瞬、ムロアジか何かがバタバタと追われているのが見えた。
八丈島に来て、初めて目にしたマトモな青物の気配
シンペンを投げまくったが、反応は無かった。
午前中の客船に乗り、竹芝桟橋へ。
今回は非常に反省の多い釣行となってしまった。
ショアジギは行く前に7割方勝負は決まっている。
どこでも行けて、魚探で魚を探せるオフショアとは違う。
だから、行くタイミングと場所を誤ったら、どんなに巧い人でも釣れない。
別に自分が巧いとかそういう意味ではなく、自分でタイミングを計って、行かなくては時間とお金の無駄になってしまう。
今年最後の遠征はそれを痛感させられた。
勇気を持って延期なりできなかったことに、他2人にも申し訳なく思っている。